2018-01-01から1年間の記事一覧
なかのお星が 透くからよ。 空と海 金子みすゞ 騒がしく指にひかる。
中ぞらの凩(こがらし)のおと、 ふと止んだとき おもふこと 北風の唄 金子みすゞ 鳥も飛行機。
打出の小槌を貰ったら 私は何を出しませう。 打出の小槌 金子みすゞ ボーカリストさんたち。
お部屋の障子は、ビルディング。 障子 金子みすゞ 地下3階、地上39階。
空のあちらに何がある 空のあちら 金子みすゞ 銀河鉄道。
白菊、黄菊、 雪のやうな白い菊。 月のやうな、黄菊。 たあれも、誰も、みてる、 私と、花を。 (菊は、きィれい、 私は菊を持ってる、 だから、私はきィれい。) 叔母さん家は遠いけど、 秋で、日和で、いいな。 花のお使ひ、いいな。 花のお使ひ 金子みすゞ…
町をはなれりゃ、降るビラは、 野原を散ってげんげ草、 畠へおちて、菜の花に。 春のくるまだ、ついてゆこ。 ビラまき自動車 金子みすゞ 日本製。
小鳥は 藁で その巣をつくる。 その藁 その藁 たあれがつくる。 石屋は 石で お墓をつくる。 その石 その石 たあれがつくる。 わたしは 砂で 箱庭つくる。 その砂 その砂 たあれがつくる。 つくる 金子みすゞ 本当の雪。
まばたきするまに何がある。 見えないもの 金子みすゞ 白い雪がいっぱい。
をどり人形は、箱の上、 けふもちりから、くるくると。 前にや夜店の瓦斯の灯に、 欲しそな顔が七つ八つ。 くるり廻れば暗い海、 お船の灯りがちらちらと。 をどり人形は、越えて来た、 とほい海路をおもひ出し、 眼にはなみだが湧いてても、 足はやすまず、…
朝のお庭のすみつこで、 花がほろりと泣いたこと。 露 金子みすゞ 忘れた頃に、来客が知って思いがけず驚いた。
月はいきするたびごとに あのやはらかな、なつかしい 月のひかりを吐くのです。 金魚 金子みすゞ 夜は夜で。 詩を求む人。
さァむい晩だ。 船の灯りが映つてゆれて ふたつ。 港の夜 金子みすゞ 3WAY、赤の法則。
學校へゆくみち、ながいから、 いつもお話、かんがへる。 學校へゆくみち 金子みすゞ 何でも揃うみちは一目散。
夕日は沈んでしまっても、 雲の端へはとどきやせぬ。 朝と夜 金子みすゞ 枝の間から見え隠れ。
東のお空 眞珠いろ、 まるい、黄色い お月さま。 月日貝 金子みすゞ たくさん拾った。
日向の葉っぱは 笑ひ出す、 なみだの痕が もう乾く。 雨のあと 金子みすゞ 笑って突き進む。
ふと思ひ出す、あの町の、 川のほとりの、赤い屋根、 美しい町 金子みすゞ 仮想空間の共有。
今夜はお空がいそがしい、 雲がどんどと駆けてゆく。 今夜はお空がいそがしい、 ほんとに、ほんとに、忙しい。 忙しい空 金子みすゞ 空が縮む思いで、刻一刻。
おてんとさまのお使いが そろって空をたちました。 みちで出逢ってみなみ風、 なにしにゆくの、とききました。 ひとりはほんとに嬉しそう、 「私はお花を咲かせるの、 世界をたのしくするために。」 日の光 金子みすゞ 小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひと…
みんな見てます、知ってます、 けれどもそれもうそかしら。 海とかもめ 金子みすゞ 花の色は 移りにけりな いたづらに 我身世にふる ながめせしまに 古今集
夕やけ きえた 雲のいろ、 けんくわ してきて ひとりゐて、 みてゐりや、 つッと 泣けてくる。 雲の色 金子みすゞ したたかではなく、強いだけ。
こほろぎの 脚が片っぽ もげました。 追っかけた たまは叱って やつたけど、 しらじらと 秋の日ざしは こともなく、 こほろぎの 脚は片っぽ もげてます。 こほろぎ 金子みすゞ 悪気もないのに、はかない。
誰がほんとをいうでしょう、 わたしのことをわたしに。 誰がほんとを 金子みすゞ おかえり。
明るい方へ 明るい方へ 一つの葉でも 陽の洩るとこへ。 明るいほうへ 金子みすゞ 四角いカラフルな建物の近くに。 進行方向はアメリカ。
泥のなかから 蓮が咲く。 それをするのは 蓮じゃない。 卵のなかから 鶏(とり)が出る。 それをするのは 鶏じゃない。 蓮と鶏 金子みすゞ 天高く馬肥ゆる秋。 冬が寒くって本当に良かった。
浜辺の石は玉のよう、 みんなまるくてすべっこい。 浜辺の石は唄うたい、 波といちにち唄ってる。 浜の石 金子みすゞ 子どものころ、旅行で海辺に行き、きれいに光るガラス玉を喜んで集めた。 まるくてなめらかだった。 ガラス瓶の破片が波にあらわれたもの。
青いお空の色してる、 小さい花よ、よくおきき。 一日青ぞらうつるので、 おめめはいつか、空いろの、 小さな花になっちゃって、 いまもお空をみているの。 ほんとの空を知っていよ。 空いろの花 金子みすゞ ちっちゃく咲いていることが重要です。
はちはお花のなかに、 お花はお庭のなかに、 世界は神さまのなかに。 そうして、そうして、神さまは、 小ちゃなはちのなかに。 はちと神さま 金子みすゞ 可愛くて、美しい日本語がやさしい気持ちにさせます。
鈴と、小鳥と、それから私、 みんなちがって、みんないい。 私と小鳥と鈴と 金子みすゞ 大好きな詩です。