2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

雲の色

夕やけ きえた 雲のいろ、 けんくわ してきて ひとりゐて、 みてゐりや、 つッと 泣けてくる。 雲の色 金子みすゞ したたかではなく、強いだけ。

こほろぎ

こほろぎの 脚が片っぽ もげました。 追っかけた たまは叱って やつたけど、 しらじらと 秋の日ざしは こともなく、 こほろぎの 脚は片っぽ もげてます。 こほろぎ 金子みすゞ 悪気もないのに、はかない。

誰がほんとを

誰がほんとをいうでしょう、 わたしのことをわたしに。 誰がほんとを 金子みすゞ おかえり。

明るいほうへ

明るい方へ 明るい方へ 一つの葉でも 陽の洩るとこへ。 明るいほうへ 金子みすゞ 四角いカラフルな建物の近くに。 進行方向はアメリカ。

蓮と鶏(はすとにわとり)

泥のなかから 蓮が咲く。 それをするのは 蓮じゃない。 卵のなかから 鶏(とり)が出る。 それをするのは 鶏じゃない。 蓮と鶏 金子みすゞ 天高く馬肥ゆる秋。 冬が寒くって本当に良かった。

浜の石

浜辺の石は玉のよう、 みんなまるくてすべっこい。 浜辺の石は唄うたい、 波といちにち唄ってる。 浜の石 金子みすゞ 子どものころ、旅行で海辺に行き、きれいに光るガラス玉を喜んで集めた。 まるくてなめらかだった。 ガラス瓶の破片が波にあらわれたもの。

空いろの花

青いお空の色してる、 小さい花よ、よくおきき。 一日青ぞらうつるので、 おめめはいつか、空いろの、 小さな花になっちゃって、 いまもお空をみているの。 ほんとの空を知っていよ。 空いろの花 金子みすゞ ちっちゃく咲いていることが重要です。

はちと神さま

はちはお花のなかに、 お花はお庭のなかに、 世界は神さまのなかに。 そうして、そうして、神さまは、 小ちゃなはちのなかに。 はちと神さま 金子みすゞ 可愛くて、美しい日本語がやさしい気持ちにさせます。

私と小鳥と鈴と

鈴と、小鳥と、それから私、 みんなちがって、みんないい。 私と小鳥と鈴と 金子みすゞ 大好きな詩です。

STEPSTEP

小春日和。 今日から始めようと思います。